集会アピール福島第一原発事故から９年目を迎えた。原子力緊急事態宣言はいまだに解除されず、今なお数万人が避難を続けている。ところが、自主避難者に細々と行われてきた家賃補助や、避難指示解除区域への住宅提供が今月末に打ち切りに。来年には帰還困難区域の方々への住宅提供を打ち切って事故の幕引きが狙われている。避難指示解除は法令に定められた公衆被ばく基準の20倍にあたる年20ﾐﾘｼｰﾍﾞﾙﾄで行われており、帰りたくても帰れない方は多い。国連人権理事会が年１ﾐﾘｼｰﾍﾞﾙﾄ以下の基準遵守と被災者への支援継続を勧告し、国連特別報告者は日本政府が勧告を無視していると声明を出している。 福島で見つかった子どもたちの甲状腺がん又はその疑いは、県の委員会に報告されただけでも217人に上る。被曝の影響が否定できない中で、逆に甲状腺検査の縮小を求める議論が行われている。被災者の分断が進み、放射能への不安を口にすること自体がはばかられる状況が政府によって意図的に作られている。復興庁の冊子『放射線のホント』は福島県と国民に被ばくを強要するものである。 甚大な被害を出しながら誰一人責任を取らないなどあり得ない。巨大な津波が予見できたにもかかわらず対策を取らなかった東電・勝俣元会長は「現場に任せていたから自分に責任は無い」と主張している。来週の最終弁論を経て結審する刑事裁判で厳正な判決が出されれば、安全を軽視して再稼働を強行している関電などの経営陣にも他山の石となるはずだ。 再稼働している大飯3・4号、高浜3・4号は、火山灰の過小評価が認定され、新規制基準審査のやり直しが決まっている。審査結果が出るまで直ちに停止すべきである。また原則40年とされた運転期間を延長して老朽化した高浜1・2号、美浜3号を再稼働すべきではない。原発を運転すればするほど、持って行き場のない使用済み核燃料や放射性廃棄物が増加する。これ以上負の遺産を作ってはならない。 安倍政権が福島事故の幕引きを図り、再稼働を強行しても、世界は大きな脱原発の流れにある。経済的になりたたない原発輸出はすべてとん挫した。核燃料サイクルの破綻は明らかで、軍事物質でもあるプルトニウムをこれ以上増やさないため六ヶ所再処理工場の操業開始は阻止しなければならない。もんじゅの廃炉を受けた高速炉戦略ロードマップは、後継炉の運転開始を今世紀半ばごろと先送りせざるをえなかったが、開発断念と原子力予算削減こそが正しい道である。 もう一度言う。世界は大きな脱原発の流れにある。私たちも自信をもって脱原発社会を築いていく。 ●国・福島県は「帰還強制」政策を改め、被災者への支援を拡充しろ！ ●甲状腺検査を福島県外や大人にも拡大し、治療費無料化を拡充し、実態・原因を解明せよ！ ●復興庁の冊子『放射線のホント』を撤回せよ！ ●津波対策を先送りにした東電元幹部は真実を語り、刑事責任を取れ！ ●再稼働反対！ すべての原発の運転を止めよ！ ●新高速炉計画は断念し、六ヶ所再処理工場を閉鎖しろ！ 核燃料サイクル政策を中止せよ！ ●もんじゅの廃炉作業は、安全最優先を貫け！ ●プルサーマルを止めろ！ プルトニウム削減の具体策を示せ！ ●放射性廃棄物をこれ以上増やすな！ ●関電は使用済み核燃料の中間貯蔵施設をどこにもつくるな！ ●安倍政権は原発輸出政策を断念せよ！ ●再生可能エネルギーの欧米並みの優先接続・優先給電を行い、主力電源化を図れ！ ３・９さよなら原発関西アクション参加者一同 |