原子力発電所の廃炉問題に関する提言

原発反対福井県民会議が設置した廃炉問題に関する検討委員会は、2019年12月14日、敦賀市内で第5回会議を開催し、提言を取りまとめました。

提言は3項目で、その要旨は

①	原子炉建屋等の施設の早期の解体撤去は行わず、そのまま密閉管理し、少なくとも100年程度の安全貯蔵期間をとるべき
②	使用済燃料乾式貯蔵は、運転中の原発のプールを空けるために利用されようとしており、どこにも立地を許すべきではない。使用済燃料は、超長期に密閉管理すべき
③	廃炉ビジネスは幻想。原発依存体制と発想を転換し、住民自らが「廃炉を求め、原発依存の現状を打破する」姿勢に転じることが不可欠。廃炉をチャンスと見なし、地域に根ざした地消地産の地域分散型エネルギー社会に基礎を置く地方分権型社会をめざすべき

です。

長沢啓行座長は、「毎回の会議を公開し、参加者からも広く意見を求め、それを積極的に取り入れて、認識を共有し一致させながら、提言を取りまとめた。」とコメントしました。

「解体撤去を行うべきではない」は、地元にとってはつらい提言かもしれません。しかし、東海原発の解体工事は、廃棄物の処分ができないため、終了予定が3度延期されています。いずれ行き詰る工事のために被曝労働を行わせることは間違っています。

委員の一人である私は「廃棄物の県外搬出という嘘で原発は推進されてきたが、できないという現実を突きつける提言だ」と説明しました。

福井県は、「嶺南Ｅコースト計画」を策定し、廃炉ビジネスを施策の柱に位置付けています。これに対し提言では、廃炉ビジネスは原子力メーカーの独壇場であり、一時的な仕事という性格から長期的な地域振興や雇用にはつながらないと断じています。

県民会議は提言をもとに、議論を深める努力をしたいとしています。

ぜひ、こちらから全文をご一読ください。また、検討委が同時に公開した「関西電力による金品授受問題に関する声明」はこちら

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