原発は不正な金品なしに動かない！ 3部作
「脱原発・東電株主運動ニュース」掲載記事に加筆修正 関西電力の役員等20名が、福井県高浜町の元助役森山栄治氏らから７年間で約3億2千万円の金品を受領していたことが、共同通信配信記事で明らかになりました。翌日関電が記者会見を行うと聞いた私は、場合によっては社長が辞任を表明して幕引きを図るのかと思いました。ところが、岩根社長は、森山氏の名前すら口にせず、何の説明も行いませんでした。 説明責任を果たさない隠蔽体質で、原発運転の資格がないことを改めて示したと言えます。 不祥事が発覚する度に繰り返される企業の謝罪会見では、これまでもいろいろと指摘がされてきましたが、関電ともあろう大企業がこれほどのていたらく、危機管理ができていないことに改めて驚きました。 責任を取ることなしに収まらない、市民や社会の怒りは大きいと関電経営幹部は感じることができないのでしょう。その感覚のずれが大問題です。  関西の市民グループは、それぞれ直ちに抗議声明を作成し、関電本社への申し入れを行いましたが、私は、それじゃ彼らに分からせることはできない、告発しかないと思いました。 問題発覚当初から、これまで適用例がない会社法の収賄容疑（公務員ではなく、民間企業でも適用される贈収賄）や特別背任に該当するという指摘が報じられ、「告発されたら捜査せざるを得ないだろう」という検察関係者のコメントまで載っていました。 たまたま敦賀に講演に呼ばれていて、そこで福井県民会議事務局長の宮下さんと相談し、宮下さんが河合弁護士に相談して、告発する会を立ち上げることが決まりました。 バタバタと準備した後、10月24日にキックオフ集会を行って、1000人を目標に告発人の募集を行ったところ、12月4日現在で3000人を超える告発人が集まり、13日に大阪地検に告発状を提出しました。 原子力は壮大な虚構で成り立っていると考えています。いわく「石油に代わるエネルギーだ」「火力よりも安い」「クリーンなエネルギー」などなど。そして今は、福島の放射能について「心配の必要がない」「甲状腺がんの多発は被曝の影響ではない」などといったキャンペーンで新たな虚構が築かれようとしています。 こうした虚構を成立させているのが、金の力です。「原子力が地域振興になる」「立地地域で受け入れられている」という虚構を築くために、関電が森山氏を利用してきたことは明らかです。9月27日の記者会見で岩根社長は「地域調整の観点でお世話になっている。」と述べています。 政治家の関与がなかったはずがありません。金の出どころは、工事費への上乗せだけか？ 金沢国税局の調査結果がなぜこれまで明らかにならなかったのか？ 多くの謎が残されています。 不正な利権構造を検察がどこまで捜査するか分かりません。東電刑事裁判のように不起訴処分になったら検察審査会への申し立てもしなければならないでしょう。 幹部を有罪にすることも大切ですが、事実解明で原子力の虚構を明らかにし、原発を止めていくことが目的です。フィクサーを中心に不正な金に群がる連中が私腹を肥やし、その連中が地域を固めて原発を推進し、再稼働を進めてきたと明らかにしていくのです。 河合弁護士からの提案で、株主代表訴訟を提訴する準備も進めています。「脱原発へ！関電株主行動の会」事務局と相談し、株主5人にまず監査役に対して問題の幹部役員を提訴するよう求める書面を送ってもらいました。社内調査隠ぺいを黙認していた監査役が提訴するとは思えませんので、代わって株主が提訴するという運びになります。 あの手この手で、取り組んでいきたいと思います。
|